結婚式も多様化。どんな挙式スタイルで選ぶ? ~Part3~

これまで『結婚式も多様化。どんな挙式スタイルで選ぶ? 』と題して、Part1とPart2の2回に渡って挙式スタイルをご紹介させていただきました。今回はその最終回Part3として、日本らしい和のスタイル「神前式」と「仏前式」についてご紹介したいと思います。


⑥神前式(神社婚/神社挙式)

神前式は神道の神々に誓いを立てる日本ならではの挙式スタイル。神道を信仰しているかに関わらず式を挙げることができ、和装で行う厳かな雰囲気が魅力で海外のゲストに喜んでもらえることから、京都などでは国際結婚のカップルも多くこのスタイルを選んでいます。
神道は古来から続く八百万の神様への信仰に仏教などが影響して受け継がれてきた日本独自の信仰で、神前式では神事を行う神主が結婚を伝える祝詞を奏上し、三三九度の盃を交わして玉串を捧げ、夫婦の契りを結びます。二人が結ばれたことを報告し神々に感謝、これからのご加護を願う神前式は、親をはじめ両家の親族が儀式に参加する内容も多く親族の結びつきを強く感じられるスタイルといえます。

神前式は専門式場やホテルでは館内に神殿を設けているところもあり、この場合には神主が会場に出向いて式を行います。神社で行われる場合には入退場を含め約30分ほど。結婚指輪の交換はヨーロッパで始まった習慣のため神前式には必要がありませんが、最近では「指輪取交の儀(ゆびわとりかわしのぎ)」として取り入れることもあります。
また神前式は少人数で親族しか列席できないものと思われがちですが収容人数に問題がなければ友人や知人の列席ができる会場もあります。世界文化遺産・上賀茂神社での神前式では新郎方24名・新婦方24名まで可能で、友人の列席も可能です。挙式のみを神社で行う場合には費用はそれほど高額にはなりませんが、貸衣装や披露宴とセットのプランも多いためしっかりとチェックが必要です。

⑦仏前式

仏前式は仏教の「因縁」という教えに基づき、「来世までの結びつき」を誓う仏様の前で行う結婚式。仏様やご先祖様に結婚の報告をして巡り合えたことに感謝する意味があります。あまり馴染みがないという方も多いのですが、神前式と同じく伝統を重んじた由緒ある挙式スタイルです。仏前式を選ぶカップルは少数派ですが、仏教を深く信仰している人が選ぶスタイルとされ、仏前式を行うカップルは新郎や家族が僧侶や仏教関係者であることが多いようです。
結婚指輪の交換や教会式のような誓いの言葉はなく、式を行う僧侶から白房の数珠を新郎、赤房の数珠を新婦へ授ける「念珠授与」という儀式があります。また式の流れには神前式の三三九度にあたる誓杯(式杯)という盃を交わす儀式がありますが、僧侶や新郎新婦、参列者が焼香し合掌することが仏前式の特徴といえるでしょう。

場所に関してはお寺で行われることが一般的な仏前式ですが僧侶を招いて自宅で行うことも可能です。比較的費用が安く小規模な和の結婚式が希望のカップルにおすすめです。基本的には家族と親族のみで行われますが、こちらも神前式と同じく会場によっては友人などの列席が可能なところもあります。
注意すべき点では仏教といっても宗派がいろいろとあるので、結婚する二人の宗派が異なる場合にはどちらかに合わせる必要があります。また参列者に関しては念珠の持参が必須となるため、招待状には数珠の持参を明記することを忘れず準備しましょう。

余談ではありますが、Appleの共同創設者の一人でCEOも務めたスティーブ・ジョブズ氏は仏教徒で結婚式も仏前式の形式で行ったといわれています。仏教に縁のあるお二人は歴史の重みを感じられる仏前式を選んでみてはいかがでしょうか。

さて今回は日本の伝統を感じられる「神前式」と「仏前式」の2つについてご紹介をさせていただきましたが、和婚派のお二人はどちらのスタイルが気になりましたでしょうか?
挙式スタイルについてのご紹介は今回で最終回となります。他の挙式スタイルについて知りたい方はぜひ過去のコラムもご覧くださいませ。

[結婚式も多様化。どんな挙式スタイルで選ぶ? ~Part1~]
①ホテルウェディング
②ガーデンウェディング
③レストランウェディング

[結婚式も多様化。どんな挙式スタイルで選ぶ? ~Part2~]
④キリスト教式
⑤人前式

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◇掲載リング

【IKAZUCHI-いかづち-】
ゆびわ言葉®:加茂の守護神

【聖-HIJIRI-】
~天地ありて 日知りなる~

【悠久の刻-ゆうきゅうのとき-】
~悠か未来へといざなう~

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